生理の悩みをピルで解消する

経口避妊薬のピルは避妊を理由に服用する人は20%にしか過ぎないんです。80%の人は避妊以外の目的でピルを服用しているのです。ピルには「副効用」と言って避妊以外にも体によい効果があるのです。

ピルを服用する理由で最も多いと思われるのは、生理にかかわる悩みを解消するためなのです。ピルを服用すると「生理痛が軽くなる」「経血が少なくなる」「生理周期が一定になる」「PMS(月経前症候群)が軽くなる」などの副効用があります。

女性にとって生理が軽く周期が一定になることは社会生活のおいて大きなメリットになります。旅行などのイベントの予定が立てやすくなり、また前もって予定が分かれば生理をずらすことも可能なのです。

ピルは「がんになる」などの間違った認識から、日本での普及率は世界的に見ても最低になっています。意外な事にピルの服用は卵巣がんや子宮体がんの発症率を大幅に減らすことができるのです。ピルによって排卵が抑制され、卵巣や子宮を休ませることができるためと考えられます。

子宮内膜症も生理の時に排出される子宮内膜が卵管などに逆流して付着することが一因と考えられています。ピルを服用すると子宮内膜が厚くなることがなく、少ない状態で無理なく排出が行われるので子宮内膜症になり難くなります。また、子宮筋腫や子宮内膜症の症状改善にもピルは使われているのです。

ピルによって乳がんになるということはほとんどないとされています。ただ、すでに乳がんにかかっている場合はがんを悪化させることが考えられます。

子宮頸がんは性感染症によるものがほとんどで、ピルを服用しているのでコンドームを使わなくなって感染率が高くなることがあります。ピルが原因で子宮頸がんになりやすくなるわけではないんです。

ピルの副作用には吐き気や頭痛、不正性器出血などがありますが、1か月ほどで治まることが多く。長くても2、3か月でなくなります。もし、長く続いたり耐えられない場合はピルの種類を替えてみるのもいいでしょう。

ピルの副作用でも最も注意が必要なのが血栓症です。日本人の女性にはもともと血栓症になる人が少ないので問題ないとも言われますが、年間10万人当り5例ほど見られるのが3~5倍にリスクが増えます。半年に一度の血液検査が血栓症の予防に有効です。

しかし、喫煙者はこのリスクが100倍以上に上昇するので、ピルを服用する時は禁煙するようにしましょう。

こうしてみるとピルには血栓症のリスクが多少ありますが予防することもできるリスクです。むしろピルの副効用によるメリットが多いことも分かります。女性にとって生理が社会生活の障害となっていることもあるので、ピルによる生理のコントロールは女性の生活の質の向上に貢献できると思います。

30才過ぎで出産するケースが多くなった現代では、ピルによって卵巣や子宮を健康な状態で温存すると言うことも重要になってくるかもしれません。